日本有数の豪雪地帯「魚沼地方十日町」
十日町市旧中里村。冬になると数メートルもの雪が降り積もり、この地の田畑は、静かに冬眠のごとく春まで休息に入ります。
雪解けを待ち、少し遅めの春には、雪解け水が乾ききらない目覚めたばかりの土壌が顔をのぞかせ、雪国の春らしい「土の香り」を漂わせます。
約4ヶ月もの間、ゆっくり静かに休んだ田畑は、春を迎え動植物に活力を与えます。
また、雪の下で土壌と一緒に春を待ちわびた山菜たちも顔を出し、春の味覚として人々の舌を満たしてくれます。
豊富な雪解け水は、ゆっくり台地に吸収され、長い年月を経てミネラルたっぷりの銘水として、様々な動植物に潤いを与えます。
豊かな水と大自然が魅力のこの村は、魚沼丘陵(うおぬまきゅうりょう)を横切り、信濃川に合流する美しくダイナミックな清津川が流れます。
その清津川の渓谷「清津峡」は、雄大な柱状節理の岩肌とエメラルドグリーンの清流が、訪れる人々に深い感動を与え、新緑や紅葉シーズンには癒やしを求めた観光客で賑わいます。その景観の良さから人気も高まり、更には大地の芸術祭に合わせリニューアルされた清津峡トンネル坑内は、誰が撮っても絶景が収められる撮影スポットとして話題になりました。
ここ数年は、特にSNS映えすると若者にも注目されています。
そんな豊かな大自然と銘水は、盆地特有の昼間暑くて夜涼しい魚沼の気候とあいまって、農作物にとっては非常に良い生育環境となっています。
豪雪地帯の雪が作りあげる魚沼産ブランド「中里の恵」。
まさに雪とこの地の気候が生んだ賜物なのです。
清津峡
清津川は、湯沢町から十日町市へ流れ信濃川に合流します。
イワナ、ヤマメ、ニジマスなども生息し清津峡の下流側では渓流釣りも盛んで、フライフィッシングやアユ釣りなど県外からも釣り人が訪れます。
清津峡は、マグマが冷え固まり柱状の岩になった「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」が美しく、その渓谷美も見事で、1941年(昭和16年)国の名勝天然記念物に指定されました。1949年(昭和24年)には、上信越高原国立公園の一部として指定されております。
◇清津峡公式サイト ◇清津峡トンネル
七ツ釜
七ツ釜は、清津川支流の釜川が流れ、この釜川には七つの滝淵があり七ツ釜と呼ばれています。
清津峡同様「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」が美しく、ここに住む大蛇の伝説が残されている他、江戸時代の文人、鈴木牧之は名著『北越雪譜』の中で「田代の七つ釜」として取り上げ、伊勢神宮から配布されるお祓いの大麻を入れた箱「御号」に見たてて柱状節理を観察して説明しています。
小松原湿原
ワタスゲが咲き競う小松原湿原は木道がうねうねと続き、尾瀬にも勝るとも劣らぬ風情があります。
木道を進むと、降水で自然に満たされた小さな池のような「池塘」が無数に点在し、夏の短い期間にはたくさんの高山植物が一斉に花を咲かせます。
子どもから年配の方まで楽しめるトレッキングコースとして人気。
雪原カーニバルなかさと
旧清津スキー場ゲレンデ一面に広がる約2万本のスノーキャンドルが美しい『雪原カーニバルなかさと』。来場者と共にひとつひとつ想いを込めて点灯すると、会場一帯は感動に包まれます。
幻想的な銀世界を彩る打上花火やたいまつ滑降も必見!
大地の芸術祭
3年に1度の世界最大級の国際芸術祭大地の芸術祭 越後妻有(つまり)アートトリエンナーレは、新潟県越後妻有地域(十日町市、津南町)760㎢で開催されます。トリエンナーレは2000年から3年に1度開催されており、その会期中のみ展示する作品が多い中、恒久作品として月日がたった今も楽しめる作品が、数多く残ります。株式会社魚沼の直ぐ側にも、中里中学校校庭の「日本に向けて北を定めよ(74°33’2”)/リチャード・ウィルソン」や清津川フレッシュパークの「清津川プレスセンター「きよっつ」/槻橋修+ティーハウス設計事務所」の他、倉俣大橋たもとの2006年に制作された「たくさんの失われた窓のために/内海昭子」は、ライトアップされるなど今なお人々が訪れています。
星峠(十日町松代地区の棚田)
『にほんの里100選』に選ばれている十日町市を代表する棚田です。 大小様々な棚田約200枚がまるで魚の鱗のように斜面に広がっています。 雲海が発生し、水鏡が輝くベストシーズンには、その美しい風景を眺めようと全国各地から多くのカメラマンや観光客が殺到します。他にも、青々とした緑が一面に広がる夏、雪に覆われる冬など春夏秋冬異なる表情の棚田が人々を魅了します。朝靄、夕日、星空など、一日のなかでも時間ごとに美しさが変化するため、何度でも訪れたくなる場所です。
2009年NHK大河ドラマ『天地人』のオープニング映像にも使用されました。